素粒子論で使用する単位系は,
とする自然単位系を採用します.言うまでもなく, はプランク定数を
で割ったもの,
は光速です.
場の量子論は,特殊相対性理論と量子力学を融合し,場という概念を推し進めた理論ですが,ここで,特殊相対性理論の表記についてまとめておきます.まず,計量テンソルは,
とします.また,ギリシア文字は
のようにとります.第0成分は時間成分,第1,2,3成分は空間成分です.座標ベクトルは,反変ベクトルが,
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であり,共変ベクトルが,
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です.4元ベクトルとしては,
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や,
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も挙げられます.2式とも最後の式変形には, としたアインシュタイン-ド・ブロイの関係式を使っています.また,上下に同じギリシア文字が対になって現れる場合,0,1,2,3について和をとるというアインシュタインの規約を使います.アインシュタインの規約を使って,インターバルの2乗は,
と定義されます.ローレンツ変換,
のもとで,インターバルの2乗は,
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と変換しますが,インターバルの2乗はスカラー,すなわちローレンツ不変量なので,
ですから,
すなわち,
が成立します.最後の式を満たす変換をローレンツ変換と定義することができます.縮約をとったスカラー,すなわちローレンツ不変量の例としては,インターバルの2乗の他に,
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や,
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等があります.また,微分演算子として,
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と,
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があります.縮約をとると,
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となります.
場という量を一般的に,
と表しておきます.ここで, は時間1次元と空間3次元をまとめて表しています.
つまり,場という量は空間の関数になっていて,それが時間的に変動するものであると考えることができます.
場をLagrangian形式の解析力学で取り扱ってみましょう.まず,今後よく使う積分の表記方法を定義しておきます.空間3次元の積分として,
を使います.積分範囲が から
になっているのは,量子力学の場合と同様に,一般に量子は全空間に存在する確率があるためです.(このChapterは古典論についてですが,後のChapterを考慮して,このように定義しておきます.)4次元時空の積分は,
とします.ここで,時間は から始まり,
で終わるとしています.Lagrangian
をLagrangian密度
で表す場合,空間3次元について積分して,
となります.さらに,Lagrangian を時間で積分した量を作用
といいます.
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ここで,ある領域 に対して,場
を,
となるように変化させます.(量子論では領域の空間部分は全空間になります.この場合も,以下の議論はそのまま成立します.)ただし,領域の境界で,
が成立するものとします.場 が上述のように変わるとき,作用
は,
と表記されますが,
となることを自然は要求します.言い直すと,作用 を最小にするように自然はできているのです.この原理を最小作用の原理と言います.左辺を次のように計算します.
ここで,
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ですから,
となります.この式の右辺第2項は,
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となります.最後の変形には境界面おいて,
であることを使いました.よって,
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となります.任意の
について,この式が成立するためには,被積分が 0 にならなければなりません.故に,
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(1.1) |
が成立します.この場の方程式をEuler-Lagrange方程式と言います.
Hamiltonianについても見ておきましょう.通常の解析力学を場について拡張した議論を行います.まず,場の共役運動量密度 を,
で定義します.更に,Hamiltonian密度
を定義します.
このHamiltonian密度
から,Hamiltonian
が計算されます.